ここでは建築インテリア系(工業系含む)前提の話です。
Primeとレンダラー
正直 Primeというグレードを買うのが一番オトクだと思います。ただしこのグレードだとAdvanced Renderというモジュールがついてこないのでグローバル・イルミネーションが使えなくなります。
ですので、グローバル・イルミネーションを使いたいとなると
以下の二つの選択肢があります。
・上位グレードBroadcastかVisualizeにする
Advanced Renderというモジュールが内包されているので、グローバル・イルミネーションを使うことができます。が、もう一つの選択肢は
・外部レンダラー(プラグイン)を使う
VrayforC4Dやmental ray、maxwellというレンダラー(有償)があります。その他グローバル・イルミネーションができる無償のレンダラー(プラグイン)もありますので
ARのために上位グレードを買うということなら、VrayforC4Dというレンダラーのプラグインを買うことを考えたほうがいいです。開発元から直接買えば800ユーロ。8万円で買えます。ただし英語のマニュアルしかありません。日本国内ではオークが日本語化して販売していますので、検討してみてください。開発元から直接買うより割高です。
さらに日本語の情報は少ないので、自分で海外(ほとんど英語)の情報を探すことになります。元々ARの日本語情報も大してあるわけではありませんが。
8万円というと高いようですが、ARよりも優れたレンダラーであるだけでなく、C4D本体のバージョンアップしなくてもVrayforC4Dは進化していき、さらにマイナーアップデートでは料金は発生しないので、ランニングコストは低くなります。
Visualizeの問題
特にVisualizeは、建築・デザインに特化している。と謳っていますが、高機能な配置ツールでもあるMoGraphを内包していないので、ちょっと複雑or/and大量の配置をしようとすると、まったく手も足もでない。ということになります。
建築や景観のシミュレーションをするのに配置ツールがない。というのは致命的だと思います。なので効率的に仕事をするには結局MoGraphのためだけにSTUDIOという最上位グレードを買う必要が出てきます。
そこで、PrimeかVisualizeのユーザーのために、良い配置ツールはないかとプラグインを探すと、SurfaceSPREADというプラグインがあります。ただし、これは景観シミュレーションのために木々や植栽を配置するのにはかなり有効なのですが、それ以外だとちょっと力不足のような気がしています。(もしかしたら使いこなせてないのかもしれません)
なので、建築・景観系の人ならば、あえてVisualizeではなく、MoGraphを内包するBroadcastを購入するべきだと思います。ただ、Broadcastには無くてVisualizeにはある。というモジュールが存在しますので、結局MoGraphのためにSTUDIOにしたくなる。という矛盾が出てきます。
さらに、Visualizeについてくるデータも建築に特化したものがついてくると謳っていますが期待しないほうがいいです。正直学生さんなら有ったほうがいいかな。程度なので、本気出す人には全く必要ないものだと思います。R11.5のころのArchitecture Extension kitのころの話ですが、R13,14になっても根本的に変わってないと思います。
Broadcastに足りないこと
実はVisualizeに搭載していてBroadcastに搭載されていないものの一つは、ノンフォトリアリスティックレンダラーのSketch&Toon。簡単に言うとセルアニメ調のレンダラー。ノンフォトリアリスティックつまりフォトリアルではないアニメや絵画、スケッチっぽい絵を作り出すレンダラー。
いわゆる絵画調の建築パースを3DCGで作る。といった用途に使うものです。もしかすると「配置ツール」としてのMoGraphを諦めて、このSketch&ToonのためにVisualizeを選択したほうがいい。という人も多いかもしれません。
建築設計事務所ではVectorWorksなどで3Dデータのモデリングを終わらせてCinema 4Dにデータを受け渡す。ということがあるでしょう。この場合はMoGraphのような配置ツールの必要性は少ないでしょうから、Visualizeを選択したほうが良いかも知れません。
※とにかくVisualizeとBroadcastって「なんで、こんなモジュールの割り振りをしたのか?」って思うくらい、機能の割り振りに問題があると思います。ここらへんが、Cinema 4Dの弱さにつながっていると思います。個人的にはどうせStudioでもMaxなどに敵わないんだから、PrimeとStduioの二段階にしちゃえばいいのに。って思います。もちろんStudioは20万くらいが適正価格だと思います。(modoを基準に考えると)
Studio買うのはバカバカしい
正直、建築系のCGを作るには、PrimeとVrayforC4Dと配置ツール。これだけあれば充分と考えています。もし買うとしてもARが入っているVisualizeかBroadcastで充分。
たしかにSTUDIOに内包されているhairモジュールがあれば芝生やカーペットのようなオブジェクトをつくれますが、代替プラグインがあるので問題ないと言えます。>FAST FUR(VrayforC4Dにも付属してる)
本当は、STUDIOが40万近くすること自体、高すぎるんですよね。もしいろんなモジュールが入っていたとしても、20万程度であれば納得がいきます。もしくはモジュールをそれぞれ自由に組み合わせて購入できるシステムに戻せばいいんです。(過去にはそういうやり方でした)
MoGraphの一部機能をPrimeにも載せるのが「バランスのいいC4Dの姿」だと思うんですが、「仕事でバリバリ使うならStudio買えよ」的な商法になってます。これがC4Dの不満。
この不満を解消するためには、、、やはりmodoでしょうか、、、。Vray使わないんだったら正直modoのほうが良いと思います。modoならグローバル・イルミネーションはもちろんついて(今調べたら)12.5万 グレード毎にアレが付いてる付いてないってことはない1グレード。あとチュートリアルビデオなどが充実してます。今から始めるなら正直modoなんですよね、、、。