今回、建築写真を意識したアングルで建築物のCGを作ってみた。その過程をブログにアップしてみる。レンダラーはVRAYforC4D。
建築写真家の仕事を手伝ったことがあるし、不動産広告などに使用する写真を自前で撮影することも多い。最近は少しずつ建築写真の「撮り方」が分かってきたような気がする。この建築写真のノウハウを、建築CGに取り入れて、より完成度の高いものを作り上げたいとおもう。
おっと、前書きが長くなってしまった。建築写真にも使えるテクニックを使って、どうやってアングルを作ったかの説明します。
ちなみに、これは納品した画像ではなく、予備というかサービスのアングル。正式に納品されたものは建物の全体構成を説明するために別アングルとなった。
まず、普通の広角レンズの設定で、レンダリングしてみた。写真撮影で言えば、「撮ったまんま。」広角レンズのカメラを使えば、こんな感じには撮影できる。
広角レンズを使えば、撮影対象物に寄っても撮影できる。そのかわり遠近感が強くでてしまう。このCGでは見上げているので建物の上のほうがスボマっている。
建築写真ではほとんどの場合、このような「スボマった写真」になっていない。Photoshopなどの加工ソフトが無い頃は、撮影時に特別なカメラやレンズ(※PCレンズ)を使ってパースペクティブ調整していた。今では、このカメラやレンズ側で行う撮影時の工夫も、撮影後にPhotoshopで実現することができる。CS4やCS5など最新バージョンでは「レンズ補正」というフィルタを使う。
下の画像が補正した結果。
建築写真では、この補正を「アオリ」と呼ぶ。
しかしCGソフトのカメラ機能には、このレンズ補正をレンダリング段階からできるものがある。C4Dのカメラでもカメラの設定「フィルムオフセット」を調整することで、「建築写真っぽい」CGを作ることができる。フィルムオフセットの原理がよくわからないという人はフィルムシフトやレンズシフトという用語も合わせて調べてみてください。下の画像はフィルムオフセットを設定して「アオリ」補正を効かせている画面。
上記のカメラ設定、つまりフィルムオフセットを使用してレンダリングしたものが下記の画像。もちろん、Photoshopでの変形なし。
Photoshopで変形してもいいんだけど、これではレンダリングして作ったマスクが使えない。(レイヤー画像を変形してもマスクが変形されるわけではない)なので、C4Dでのカメラでフィルムオフセットしてレンダリングしたほうがいい。